短刀　白鞘入り
Tanto, Shirasaya

【銘文】表 : 皇太子妃御守刀以余鉄 龍泉貞次謹鍛彫之 ／裏 : 昭和三十五年正月吉日　御成婚記念

【寸法】刃長 25.7cm(8寸4分8厘)、反り なし、元幅 2.45cm、元重ね 0.52cm、目釘孔 1個、刀身重量 139g 、白鞘全長 40cm

【時代】昭和35年 (1960)

【国】伊予国　(愛媛県)

【特徴】平造、庵棟、身幅・重ね尋常、反りはなく、上品な姿。

生茎、鑢目筋違に化粧鑢つき、先浅い栗尻、目釘孔一。

彫物は、上半のみ刀樋を表裏に掻いて丸留とし、下半は表に竹と梅、裏に松を彫る。

地鉄は、小板目肌つみ、わずかに大肌ごころ交じり、地沸細かにつく。

刃文は、中直刃、小沸つき、匂口明るい。

帽子は、直ぐに小丸に返る。

【見どころ】高橋貞次刀匠(明治35-昭和43)は、本名を高橋金市といい、愛媛の刀工です。兄の高橋義宗刀匠の影響で刀工を志し、大正6年、初代月山貞一・月山貞勝両師に入門し、中央刀剣会の養成工、郷里の西条での作刀時期を経て、昭和5年松山に鍛刀所を設けました。新作日本刀展総理大臣賞、文部大臣賞、陸軍大臣賞、海軍大臣賞、作刀技術発表会特賞など数多くの受賞歴があり、山城・大和・備前・相州・美濃の五ケ伝に通じ、彫技に優れ、洗練された作風で知られています。昭和30年(1955)、金工部門で初めて重要無形文化財「日本刀」の保持者(人間国宝)として認定されました。昭和35年(1960)、上皇上皇后両陛下の御成婚に際し、上皇后陛下の御守刀を製作され、同時期にその余鉄で本短刀は作られています。

【状態】保管時のヒケ、曇りがわずかにあります。

【付属品】素銅地金着二重ハバキ、白鞘、白鞘袋、登録証(愛媛県19563号 昭和37年4月3日交付)、保存刀剣鑑定書(日本美術刀剣保存協会 平成30年8月20日発行)

【商品番号】A080324　【価格】3,000,000円(消費税、国内送料込み)