脇差　拵入り
Wakizashi, Koshirae

【銘文】表 : 住 東叡山忍岡辺 長曽祢(以下切れ)　裏 : 延宝二年六月吉(以下切れ)

【寸法】刃長 30.6cm(1尺0寸0分9厘)、反り 0.4cm(1分3厘）、元幅 2.63cm、元重ね 0.67cm、目釘孔 1個、刀身重量 224g 、拵全長 45cm

【時代】江戸時代

【国】不明

【特徴】平造、庵棟、身幅・重ね尋常、やや反りつく小脇差の姿。

茎は、磨上、先切、目釘孔一、区送り。

地鉄は、板目肌、流れごころ、地沸つく。

刃文は、互の目乱れ、ところどころやや荒目の沸がつく。

帽子は、丸く先やや掃き掛け、深く返る。

【見どころ】虎徹の短刀や平造の脇差は現存する作が極めて少なく、本作は銘ぶりからもおそらく偽銘と考えられます。しかしながら見どころの多い拵に入っており、この短刀がどのように扱われてきたかをうかがわせています。蛇腹糸の糸目が綺麗に保存された巻柄や、目釘孔の周囲の菊座は細かく華やかで、艶やかな黒漆で磨いた角(つの)の一作となる縁頭・鐔・鞘口・瓦・鐺は形よく、鞘が微細に発光するような濃やかな茶石目塗は丁寧な仕上げとなっています。また、鉄地に猪目透かしの赤銅魚々子地を渦巻き状に仕立てて部分使いとした小柄は、眷属(神の使い)の牛や狐が描かれどこか神妙さが漂う珍しいものです。

【状態】良好です。

【付属品】素銅地銀着一重ハバキ、拵、拵袋、登録証(三重県55171号 令和04年07年21日交付)

【商品番号】A040823　【価格】330,000円(消費税、国内送料込み)